交互にくりかえす氷期・間氷期と陸上生物の渡来
南極の形成後もさらに寒冷化が進み、氷河時代(ひょうがじだい)とよばれる時代がやってきます。とはいっても氷河時代中ずっと寒いままというわけではなく、氷期(ひょうき)というとても寒い時代と、間氷期(かんぴょうき)というやや暖かい時代が繰り返し訪れました。氷期には南極の氷や氷河など、陸上の氷が増える分、海の水が減って海が引きます。このとき日本列島と大陸の陸地の間がかなり近づいていたため、陸上の生きものも渡ってくることができました。そして暖かくて海水の多い間氷期になると現在のような島の姿に戻り、日本列島に閉じ込められた生きものたちは独自の進化をとげていきました。
温暖な間氷期 〜約18,000年前から現在〜
約18,000年前に最後の氷期を迎えたあと、地球は急激に暖かくになり、約6,000年前には、現在とほぼ同じ暖かい環境になりました。間氷期(かんぴょうき)です。それまで大陸の上に氷河(ひょうが)として蓄えられていた水は海洋へと戻り、海面の位置も現在と同じになりました。沖縄(おきなわ)や奄美(あまみ)などの南の島々には、広くサンゴ礁が広がり、豊かな生態系(せいたいけい)ができました。サンゴの骨格(こっかく)は炭酸カルシウム(CaCO3)でできていて、写真のように1年1年の成長輪(せいちょうりん)をみることができるものもあります。この骨格をくわしく調べることによって、海洋環境の変化を知ることができ、私たちの未来の予測(よそく)にもつながります。