生き延びた生物の繁栄と超大陸パンゲア
ペルム紀末の大量絶滅を生きのびた生物たちにとって、超大陸パンゲアとそれを取り巻く広大な海(パンサラサ海・テチス海)は分布を拡げるのに絶好の場所でした。その環境に適応してしまえば、恐竜のような陸上動物もアンモナイトのような海生動物も一気に広い範囲に分布を拡げることができました。その後、パンゲアが分裂し、さらに温暖化が進んで海水準が上がって新たな海域が生じていくと、拡散(かくさん)した生物たちは生息地を分断され、それぞれの場所で独自の進化を遂げていきました。
海の酸素がなくなった!?海洋無酸素事変
地球の長い歴史の中では世界中の海の酸素が極端に少なくなることが何度もあったようです。これは「海洋無酸素事変(かいようむさんそじへん)」とよばれ、特に中生代にはしばしば起こっていたことが知られています。海表と海底の海水の循環が弱まることで海底に酸素が供給されなくなり、ほとんどの生物が生きられない「死の海」が広がっていました。一方で、このような環境では生物の死がいが分解されきれずに堆積するため、保存のいい化石が残りやすくなることがあります。また、白亜紀中期に起きた海洋無酸素事変の際にたくわえられた大量の有機物が現在われわれが使っている石油のおもな源と考えられています。