熊本市立熊本博物館

閉じる

 

 

 

 

地質資料紹介


化石

g-006-1.JPG

 

リンボク

 

Leptophloeum cf.rhombicum

時代 古生代 デボン紀後期

 

デボン紀から石炭紀に栄えた植物で、表面にある鱗(うろこ)のような模様がその名の由来です(鱗木)。現在の植物ではヒカゲノカズラやミズニラなどのシダ植物に近いとされていますが、リンボクはそれらよりもはるかに大きく生長し、古生代の湿地に大森林をつくりました。

岩石

g-226-1.JPG

 

阿蘇溶結凝灰岩

 

Aso welded  tuff

時代 新生代 第四紀 更新世

 

巨大なカルデラを形成するような大規模な火山活動でできる岩石です。高温の火山灰や軽石が混ざった火砕流が分厚く堆積すると自らの熱と重みで再び融け、硬く溶結した岩石となります。阿蘇カルデラの場合はAso-4と呼ばれる9万年前のカルデラ噴火が最も規模が大きく、県内各地でこの時代に形成された溶結凝灰岩が見られます。硬いといっても安山岩のような溶岩と比べると柔らかくて軽く、加工しやすいため、古くから石材として利用されてきました。日本地質学会が選定する「県の石」では、「熊本県の岩石」に選ばれています。

鉱物

g-197-3JPG.JPG

 

鱗珪石

 

Tridymite

時代 新生代 第四紀 更新世

 

熊本市西区にある石神山は、今では公園として家族連れでにぎわう場所ですが、かつては石材となるデイサイトを切り出す採石場でした。この採石場の岩の割れ目からは、鱗珪石という鉱物が見つかっていました。鱗珪石は石英 (水晶)と同じ組成の鉱物ですが、より高温で形成されるもので、水晶のような六角柱状ではなく六角形の薄い板状の結晶をつくります。鱗珪石そのものは他地域のデイサイトや安山岩から産出しますが、石神山のもののように大きさが5mmを超えるものは大変貴重です。日本地質学会が選定する「県の石」では、「熊本県の鉱物」に選ばれています。

 

→「資料・実験工作・観察法 紹介解説コーナー」トップページに戻る

ページ先頭へ