博物館はなぜ飲食禁止なの?
皆さんはなぜ館内が飲食禁止となっているかご存じですか?飲食しながら観覧したいな、という方もいらっしゃるかと思います。
飲食禁止の一番の理由は、食べかすや飲み物が虫の誘引やカビの発生につながってしまうからです。こういったことが起こると、資料が食べられて穴があいてしまったり、カビによる変色が発生したりと、破損・劣化の原因となってしまいます。
そうならないようにするための対策の1つとして、館内の各場所に粘着トラップを毎月設置し、資料を食べる虫 ( 文化財害虫 )やそうでない虫の発生状況を調査しています。その結果などを参考に、侵入経路や虫の発生しやすい時季、特に注意しなければいけない場所を割り出し、清掃の優先場所を決めて各場所の点検や処置を効率的に行っています。このように館内に入ってきた有害生物をさまざまな手法を組み合わせて制御し、資料に被害が及ばないようにしているのです。
それでも、他分野にわたる全ての資料を永遠に保存できるわけではありません。少しでも永く、未来へつないでいけるように日々格闘し取り組んでいますので、皆さんもぜひ資料を守るためのご協力をお願いいたします。