歴史分野サイドストーリー01
歴史分野のちょっとしたお話を紹介する「サイドストーリー」。
まずは以下のつぶやきをご覧ください。
このつぶやきは2021年5月、まだまだ新型コロナの流行拡大が続いていた時期に行ったもの。
当時は熊本博物館も休館が続くなど、イレギュラーな状態がつづいていました。
そんななか、歴史分野では「いまがチャンス!」と、普段はなかなかできない資料整理にものすごく集中。
非常にたくさんの資料を整理するなかで、この資料にぶつかったのでした。
あいにくロシア語がわかる職員が学芸室にいなかったので、割と軽い気持ちで「いやあ、こんな資料がありましたよ」というノリでつぶやいたところ、予想以上の反応が…。
古文書内容に関する推理ゲームのような盛り上がりがあったのか、結構な人数の方に興味を持っていただくことになったのです。
その後、ロシア語に詳しいプラネスタッフ(当時)の援助もあり、あれよあれよという間に日本在住のロシア人の方にまで辿りつきまして、以下のことを教えていただきました。
▽なにか物品などを貸し借りする際に作成された証明書
▽パーミャチ・メルクーリヤ(巡洋艦)の艦名が見える
資料寄贈者のご先祖が当時韓国仁川に暮らしておられたという情報とあわせて、パーミャチ・メルクーリヤが仁川港に寄港した際に発行された貸借証明書、ということがわかったのです!
寄贈者のお宅には「ロシア軍艦の艦長から贈られた花瓶」などもあったそうなので、ロシア人艦長との交流のなかでこの証明書も伝来したのかもしれません。
そのままだと資料名を「ロシア語書簡」でお茶を濁してしまいそうだったのですが、SNSのおかげで資料の本質にぐっと近づくことが出来ました。
(つぶやくときにはこうなることをちょっとは期待していましたが…笑)
「三人寄れば文殊の知恵」「餅は餅屋」などのことわざもありますが、外部の人のお力をお借りすることもやはり大事だなと実感した一件でした。
あらためて協力をいただいたみなさんには御礼申し上げます。
さて、現在当館のデータベースではこの資料を「露語証明書」で公開しています。
当館データベースではこのほかにもたくさんの資料を公開していますので、ぜひのぞいてみてください。
歴史分野サイドストーリー02
歴史分野のちょっとしたお話を紹介する「サイドストーリー」。
まずは以下のツイートをご覧ください。
2022年のクリスマスの日に投稿するような内容ではないのですが、担当学芸員が気づいたときに割と「ワアッ!」とびっくりしたので思わず取り上げた資料です。
お分かりいただけただろうか・・・。
お盆?のようなものを顔に近づける日本髪の女性。
でもお盆に映る顔は女性と似ても似つかない、亡霊のような顔…。
絵葉書全体のモチーフを見ても、群雲に満月(右上)、なんだかよくわからない鳥(左下)。
画面真ん中に四角をずらすようなアングルで件の女性/亡霊図。
見れば見るほど不可思議な絵葉書なのです。
とある受け入れ資料の整理の途中で出てきたのですが、一緒に入っていたのは日露戦争のときに発行されたポピュラーな絵葉書でした。
これは明治末年~大正ころの絵葉書だと思いますが、発行者も未記載で不明。
うーん、ちょっと不気味だ…。
古文書を整理しているとたまに不思議な資料に出会ったりしますが、この絵葉書のように「なんだかよく分からないけど不気味…」というのは初めてな気がします。
まだまだ不明な部分が多い絵葉書なので、何かご存じの方いらっしゃったら熊本博物館までお知らせください。