はじめに
昭和30年代まで牛は日本人にとって身近な動物でした。農家では牛が飼われているのが当たり前でした。そして、大切に育てられていました。
熊本博物館の民俗収蔵庫には、牛を題材にしたものと、牛に使用する道具が保管されています。
2021年の丑年を記念して、そのいくつかをホームページで公開します。
ホームページ限定公開
おうちミュージアム
Ⅰ 牛の郷土玩具
牛を題材にした郷土玩具は全国にたくさん見られます。そのうち、当館にある愛嬌のある牛たちを紹介します。
① 牛の張子
熊本の張子で有名なものは宇土張子です。全国的には、福島県会津地方の「赤べこ」が知られています。どの張子の牛も首振り人形になっています。天神様が牛に載った姿の張子も日本で広く見られる題材です。
② 木材で作られた牛
木の皮や木目を利用して牛を表現したものもあります。
Ⅱ 牛の信仰
牛は天神様のお使いとしても知られています。そのため、天神様を祀る神社などでは牛を画題にした絵馬が奉納されることがあります。
また、熊本県の牛深では、小正月に藁で作った牛を子どもたちが家々を訪れ、授ける行事がなされていました。
Ⅲ 牛に使用する道具
牛は犂をひく機動力、モノや人を運ぶ運搬道具、そして、牛乳などが人の食糧となるものでした。それにともない様々な道具が使用されます。熊本県の阿蘇では放牧が盛んで今も牛たちが育てられている姿を見ることが出来ます。
Ⅳ 牛の妖怪
牛のような妖怪もいます。愛媛県ではお祭りにも登場する妖怪・牛鬼です。
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